誰よりも近くで笑顔が見たい
服、何にしようかな……。


部活あとなら疲れてるよね、何か食べ物あった方がいいかな。


クッキー、作ろう。


そう決めて、もう一度ベッドから降りた。


「何作るの?」


早速無言で作業を始めた私にお母さんが聞いてくる。


「クッキー」


「彼氏?」


「うん」


ん?


「やっぱり彼氏できたのね!家に来るの?」


首を横に振ると、残念そうな顔をする。


「なーんだ。見たかったのに。今度連れてきてね」


残念そうなお母さんになんで言えばいいのかわからなくて、少しだけ話をそらす。


「なんで、わかったの?」


「んー。そうだなあ……」


ニコニコと笑いながら、考えるお母さんの返事を待つ。


「蘭、毎日楽しそうだから。前までは、行かなきゃいけないから、みたいな感じで学校行ってたのに毎日、学校が楽しみって感じ」
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