誰よりも近くで笑顔が見たい
「蘭、あけおめ」


元旦の朝、なのちゃんが私の家までやってきてくれた。


「おめで、とう」


そう言うと、家のドアを閉めてなのちゃんのところまで行った。


「神社、混んでるかな」


「おみくじ、引きたい」


そう言いながら、私はマフラーを鼻まで上げた。


上原くんからもらった、マフラー。


「うん、引こうね」


優しく笑ったなのちゃんと歩く。


夏祭り、上原くんとの思い出の神社に向かってる。


神社に着くと、境内まで屋台がずらりと並んでいてお祭りみたい。


「帰りになんか食べてこーね」


「うん」


屋台を見ながらなのちゃんと約束して、まず神社の境内に行って、鐘を鳴らす。


目を閉じて、手を合わせて軽く頭を下げる。
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