誰よりも近くで笑顔が見たい
あの無言の時間が心地よかった。


でも、上原くんは……?


実は、気まずいとかつまらないとか、思ってた?


何も話さない私より、いっぱい話す水谷先輩の方がいいに決まってる。


『俺、別の人と食べてるんで』


あの言葉は、ただの優しさで本当は水谷先輩と食べたかったのかな……。


疑う気持ちがどんどん膨れ上がっていく。


「蘭!」


そんな気持ちを断ち切るようになのちゃんの声が屋上に響いた。


「なのちゃん……」


なのちゃんはこっちに近づいてきて、優しく私の手を握った。


「蘭、話、全部聞いたよ」


優しくなのちゃんの声が響く。


「楽しい、のかな?」


「え?」


突然の問いかけになのちゃんが困惑する。


「上原くんは、私より……水谷、先輩と……いる方が……」
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