誰よりも近くで笑顔が見たい
昔の私だったら、スピーチなんて引き受けてなかった。


蓮くんと出会って、いっぱい話せるようになって、話したいって思うようになった。


「なのちゃんは、話すのが苦手な私をいつも助けてくれました」


すらすらと言葉を並べられるようになった。


「泣きたい時には、なのちゃんがいつも隣にいました。
ありがとう、いつもいつも。幸せになってね。なのちゃん」


なのちゃんは、泣いてくれてた。


「桜玖は、お調子者で、うるさくて、とにかく元気なやつでした」


隣で蓮くんが話し始めた。


「でも、真剣に物事を見られる人でした。桜玖がいなかったら、俺は何度も感情で突っ走っていたと思います」


蓮くんのスピーチは、昔から仲がいいのが伝わってきた。


「桜玖、ありがとう。これから、お幸せに」
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