誰よりも近くで笑顔が見たい
杉本くんも泣きそうな顔をしていた。


席に戻って、ほっと一息つく。


こんなふうに、大好きな人の隣で、大好きな人たちの幸せを祝うことになるなんて、思ってもなかったな。


この上ない、幸福感に満ちてる。


披露宴は続き、最後のブーケトスの時間になった。


外に出ると、澄んだ空気が迎えてくれる。


女の人が集まる中、私は蓮くんの隣に立った。


「蘭は、いいのか?ブーケトス」


「うん」


不思議そうな蓮くんに少し笑って答える。


「蓮くんが、いるから」


「蘭……」


蓮くんの顔が赤い。


ふふっ、嬉しいな。


「せーの!」


なのちゃんと杉本くんのかけ声で、ブーケが落とされる。


ブーケは、数人の手を弾んだあと、風に吹かれた。


「えっ?」


「は……」
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