誰よりも近くで笑顔が見たい
1人の人の手のひらに収まった時、私たちは驚いて、固まった。


ブーケは、蓮くんの手のひらに落ちた。


「蓮!1番、幸せにしたい人に渡せよ!」


杉本くんの声に蓮くんが私に向き直った。


「蘭、1番幸せになってほしい。俺と、結婚してください」


……。


差し出されたブーケと静まり返った会場。


「お願いします」


ブーケを受け取って、そう答えた。


顔を上げた蓮くんは、私を抱きしめた。


温かい温もりと会場の人たちの拍手。


「おめでとー!」


って、言うなのちゃんたちの声がする。


幸せ、だ。


それからすぐに披露宴は閉会となった。


2次会は、本人たちの希望によってなし。


これから、婚姻届を出しに行くんだって。


最後まで残って、2人に別れを告げたあと蓮くんの車に乗った。
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