誰よりも近くで笑顔が見たい
「蘭、今日も行かないの?」


あの日から中庭には、行ってない。


屋上でお弁当を食べてる。


なのちゃんには、あの日水谷先輩のことを話した。


心配そうな顔をしながらも、私と一緒に屋上でお弁当を食べてくれてる。


申し訳なくて、中庭へ促したら


『私は、蘭と食べたい。桜玖とは、連絡取り合ってるし、たまに廊下で話すから大丈夫』


と言われてしまい、それに私も甘えている。


でも、上原くんへの気持ちが消えることなんてなかった。


『気になる』


その気持ちは、どんどん大きくなっていって、屋上でお弁当を食べ終わると中庭の上原くんを見るのが日課。


いつも、笑ってるの。


私と一緒にいた時には、見せてくれなかった笑顔をしてるの。


たまに、水谷先輩が来て上原くんにくっついてる。
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