誰よりも近くで笑顔が見たい
そんなのお構いなしにグイグイと引っ張られ、立ち上がってしまう。


助けて……上原くん。


ぎゅうっと目をつぶると大きな音ともに私の手が解放された。


安心して、目を開くと目の前には、サッカーボール。


既視感のあるその光景に身体の力が抜けそうになる。


「なにすんだよ!」


男の人は、叫び声とともに殴りかかった。


でも、それをもろともせずに蹴り返してあっという間に私のバッグを取り返して男の人たちを退散させてしまった。


「……ありが、とう、上原くん」


そう、そこにいたのは上原くんだった。


差し出されたバッグを受け取る。


そして、学校前の公園に行こうと思った。


また、あの気持ちを思い出しちゃうから。


「高坂さん、待って」


そう言われ、自然と身体が止まる。
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