誰よりも近くで笑顔が見たい
「よかった……」


相当ほっとしたみたいで、上原くんの表情が優しく和らぐ。


「あっ、蘭!お待たせ」


その声に2人で同じ方向を見れば、なのちゃんが歩いてきていた。


「蓮、帰ろーぜ」


茂みから顔を出したのは、杉本くん。


「上原くん、一緒、に、帰ろう?」


私の精一杯のお誘い。


一緒に帰りたい。


「はい」


その言葉と軽く頷く動作に顔をほころぶ。


まだ、“気になる”。


でも、いつか恋に変わるかもしれない。


でも、もう怖くない。


「蘭?行こ」


なのちゃんに言われて、私も歩き出す。


「そーいえば、林間学校って来週だっけ?」


上原くんたちのバッグを取って4人で歩く。


前を歩くのは、なのちゃんと杉本くん。


後ろで私と上原くんが並んで歩いてる。
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