誰よりも近くで笑顔が見たい
「なのちゃん、そんなに気合い入れなくても……」


今日は、上原くんたちと夏祭りに行く日。


突然私の家にやってきたなのちゃんは、私に浴衣を着せて、髪を結んでくれてる。


器用に編み込みをして、低い位置でお団子にする。


「よし。これでいいね。実はねー、突然桜玖から連絡がきて、浴衣着てきてってさ」


そう言って、なのちゃんはLINEのトーク画面を見せてくれる。


本当に、そう書いてあった。


「蘭、私の浴衣着るのも手伝ってくれない?」


そう言われて、すぐに頷く。


なのちゃんは、嬉しそうに笑った。


「そういえば、蘭って上原くんのこと好きでしょ?」


なのちゃんの髪を整えていると、そう聞かれた。


じわりと頰が熱くなる。


「わかりやすいなあ」


そんな私を見て、なのちゃんは楽しげに笑ってる。
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