誰よりも近くで笑顔が見たい
「なん、で?」


聞いてみると、なのちゃんは色々思い出すような遠くを見るような目をした。


「んー、気になるって言ってた時から、このまま恋に発展するんだろうなって思ってたけど……。1番は、最近の蘭って表情がわかりやすくなったんだよ」


表情が、わかりやすく……。


「赤くなったり、少しだけ笑ったり、ちょっと落ち込んでたり。色々、少しだけだけど変わるようになったよ?」


「そっ、か……」


「ねえ、伝えるつもりはないの?」


身を乗り出して言われて、慌てて首を横に振る。


「えー、絶対両想いだと思うのに」


両想い、その言葉にまた頰が熱くなる。


私には、上原くんはもったいない。


「じゃあ、向こうから言わせるしかないか……。よし、蘭!ちょっとメイクしよ!」


なのちゃんがポーチを持って、ニヤリと笑う。
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