誰よりも近くで笑顔が見たい
整えた髪なんて気にしずに、なのちゃんは私の顔に手を添える。


そのままされるがまま、顔に色々塗られる。


目にくすぐったい感覚、唇に何か塗られてる感じ、くすぐったい。


「うん!蘭は、薄くても可愛いね。よし、じゃあ行こう!」


なのちゃんが、自分のバッグを持って、立ち上がる。


私も準備を済ませたカゴバッグを持って、なのちゃんを追いかけた。


玄関で下駄を履くと、特有の響く音がする。


私たちは、2人で夕方の神社へと歩き出した。


約束の鳥居の前に着くと、上原くんたちはまだ来てなかった。


部活があるって、言ってたから時間ギリギリになるかな。


まだ約束の10分前。


なのちゃんとおしゃべりしながら、上原くんたちを待つ。


「あ、桜玖!」


なのちゃんが嬉しそうに手を振る。
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