誰よりも近くで笑顔が見たい
「あっ!図星かい。頑張れよ!」


おじさんは、楽しげに笑う。


「あ、もう欲しいものは取れたので、球は返します」


上原くんは、そう言うと残りのコルクをおじさんに手渡す。


「そうかい、じゃあ、代わりに花火がよく見える穴場を教えてやるよ」


おじさんは、一瞬目を見開いたあと上原くんにこそこそ話で何かを伝える。


「ありがとうございます」


上原くんもそう言って、私たちの元へと戻ってきた。


その光景を見ていたのは、私だけみたいでなのちゃんと杉本くんは、2人で上原くんからもらったお菓子を食べてる。


「よし、たこ焼き食べようぜ!」


杉本くんがそう言って、歩き出す。


しばらく歩くと、長めの列ができたたこ焼き屋さんにたどり着いた。


「ねえ、4人も並んだら、迷惑じゃない?」


確かに、これだけ並んでるのにわざわざ大人数だと迷惑かも……。


「じゃあ、俺と菜乃花で並んでるから2人は近くで待っててよ」
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