誰よりも近くで笑顔が見たい
「おう」


もしかして、さっきの2人はこの話をしてたのかな。


なのちゃんを見れば、私の髪飾りを見て笑ってる。


「蘭、よかったね」


その言葉に私は、頷く。


この髪飾り、ずっと大事にする。


そう決意すると、4人でたこ焼きを食べる。


杉本くんは、あれほど食べたがってたのに猫舌らしくて、みんなより食べるのがゆっくりだった。


1人で頑張って食べてる杉本くんを見ながら、なのちゃんが笑った。


杉本くんが食べ終わったのは、花火が始まる30分前で私たちは、焼きそばを買いに急ぎ足で歩き始めた。


人も多くなってきて、背の低い私は、埋もれてしまう。


「あっ」


誰かの肩が私の頭に当たって、髪飾りが地面に落ちてしまった。


慌てて拾って、壊れてないかを確かめる。


なんともないことに安心して、あたりを見渡すともうみんなの姿は、ない。
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