誰よりも近くで笑顔が見たい
今ならわかる。


私といると、自分に尊敬の目が集まる。


それが嬉しかったんだ、あの人は。


でも、そんなこと、その頃の私は気づかなくて疑問に思いながらも、彼の言うことを聞き続けた。


そんな日々が続いて1ヶ月、那谷先輩に呼び出された。


今日で、終わる気がする、そんな予感がした。


珍しく人気のないところで2人きりになった私たちは、重たい空気の中話した。


「別れて。お前といてもつまんねえ」


吐き捨てるように彼は、言った。


つまらない。


その言葉が重くのしかかった。


「つーか、告ったのも顔だったし、お前といると注目されるから付き合ってたけど、もう無理。なに考えてんのかわかんねえ」


次々に言われる言葉は、私の心を閉ざすには十分だった。


それから私は、自分の感情を表に出すことがますます苦手になった。
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