誰よりも近くで笑顔が見たい
上原くんは、そういうと歩き出した。


私も慌ててついていく。


なのちゃんの方を見ると、杉本くんといっておいで、というように手を振っていた。


上原くんに追いついて、隣に並ぶ。


さっきまでのユニフォーム姿じゃなくて、練習着に着替えてる。


上原くんは、何も言わないけど隣にいていいのかな。


よくよく考えれば、ついてきてなんて言われてない。


私が勝手に追いかけてきただけ……。


そう思うと、自然に歩みが止まってしまう。


「高坂さん……?」


それに気づいた上原くんがこっちを向く。


「……敬語、なんで?」


まさか止まってくれるとは、思ってなくて焦って聞いてしまう。


「えっ、敬語……」


「遠い……。敬語、だと」


上原くんがすごく、遠くにいるみたい。
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