誰よりも近くで笑顔が見たい
次の日のお昼休み、私たちは2人でお弁当を食べていた。


場所は、中庭。


「あっ……」


なのちゃんの話を聞きながら、私はベンチの下のサッカーボールを見つける。


昨日の……。


「なあ、なんでこんなとこにあんだよ」


「別にいいだろ」


その声にビクリと身体が震える。


入ってきたのは、男の子2人。


そのうち1人は、昨日の男の子だった。


「あー、あった!」


昨日の子じゃない方の子が私の手元のサッカーボールを指差す。


その子は、私の近くまで来て手を出した。


ここに置いてって、意味みたい。


私は、俯いてボールを手に乗せる。


「あれ?君、高嶺の花?」


1番言われたくなかった言葉に動けなくなる。


「ちょっと、さっきから何?」


そんな私を見かねてなのちゃんがその子の私の間に割ってはいる。
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