誰よりも近くで笑顔が見たい
しばらくすると、開始の合図がなって私たちは、校門のところへ向かった。


ただただ看板をもって、お客さんが私たちのクラスへ来るように誘導するお仕事。


話さなくてもいいから、安心してできる。


「ねえ、ここまで案内してよ」


突然後ろから男の人に声をかけられた。


たぶん、他校の生徒だと思う。


「君、呼び込みでしょ?ここまで案内してよ」


そんなこと、誰もしてない。


それに、教室がそんなにわかりにくい位置にあるわけでもない。


「すみません!この子、すぐに迷子になるので私が案内します」


私と男の人の間に割って入ってきてくれたのは、なのちゃん。


「えー、そうなの?ま、君も可愛いからいいや」


そう言って、その男の人はなのちゃんと教室の方は歩いて行ってしまった。
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