誰よりも近くで笑顔が見たい
「あれ、菜乃花じゃん」


「桜玖?なんでここにいんの?」


2人は、知り合いみたいだった。


キュッと、なのちゃんの袖を掴んで訴える。


教えてって。


「蘭、こいつ、杉本 桜玖(すぎもと さく)」


なのちゃんがこんなに雑に人を扱ってるとこ、初めて見た。


「小学校までは、おんなじ学校に通ってて家も隣だったんだけど、中学受験して中高一貫の学校に通ってたんだけど、なんでいんのよ?」


なのちゃんの厳しい言葉をもろともせずに杉本くんは、笑って言った。


「勉強むずすぎて、高校受験しなおした。こいつも高校受験するって言うしな」


こいつ、そう言われた男の子は昨日私を助けてくれた人。


「ねえ、高嶺の花だよね?」


突然話が切り替わる。


「えっ?」


「桜玖!そんな風に呼ばないで」
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