誰よりも近くで笑顔が見たい

クリスマスデート

「ねえ、蘭って上原くんとクリスマス一緒じゃないの?」


突然だった。


終業式が終わって、2人で帰ってたらなのちゃんに聞かれて。


首を横に振ったら、なのちゃんがありえないみたいな顔をして言った。


「クリスマスだよ?!恋人たちがイチャイチャする日だよ?!」


多分、その解釈は間違ってると思うけど、私だって上原くんと過ごしたい。


「過ごし、たいな」


そう言うと、なのちゃんが満足そうに笑った。


「じゃあ、誘っちゃえ!」


私のスマホを出して手渡される。


誘ったら、一緒にいられる?


いいよって、言ってくれるかな?


『クリスマス、出かけない?』


色々悩んだら、用件だけのメッセージが出来上がった。


でも、これ以上文字数が増やせない。


震える手で送信すると、一息ついてスマホを閉じた。
< 93 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop