誰よりも近くで笑顔が見たい

「送れた？」


なのちゃんが楽しそうに聞いてくる。


頷くと、その笑みを大きくして私を見つめた。


「成長したねえ。自分から誘えるようになるなんて」


しみじみとなのちゃんが言うと、私も少しだけ笑う。


「蘭、ほんと、笑うようになったね」


「上原くん、のおかげ」


そう言うと、なのちゃんの手が私の頭に触れる。


「ふふっ」


「なのちゃんは……｣


楽しそうななのちゃんに私が話しかける。


「杉本、くん、のこと……好き、じゃない、の？」


なのちゃんの顔を見ると、顔が真っ赤。


「……好き」


小さくつぶやかれた言葉を聞き逃さなかった。


「だけど、告白する気、ないよ」


そう言ったなのちゃんは、切なそうで苦しそうで泣き出しそうにも見えた。