誰よりも近くで笑顔が見たい
次の日起きると、1番にスマホを確認した。


『行く。今日の昼休み、決めよ』


用件だけのLINEが返ってきてる。


出かけて、くれるんだ。


こんな、場所を決めて、時間を決めて、最初から最後まで2人きりになるなんて、初めて。


何度も確認するようにその文字を見直して、了解って意味のスタンプで返した。


その日のお昼休み、上原くんどこ杉本くんがもう中庭に来ていた。


2人とも向かい合って座ってる。


私となのちゃんも別れて、私は上原くんの隣に、なのちゃんが杉本くんの隣に座った。


最近は、こうやって4人で話すのが当たり前になった。


私と上原くんの間の距離は、前よりは小さくなったけど杉本くんとなのちゃん飲み込んで距離より大きい。


いつもあとに来る上原くんが私の男性恐怖症に気を遣ってくれてるから。
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