プラチナー2nd-
「俺、紗子さんと洋服見に行きたいんですよね。あとカフェにも行きたいです」
既に人ごみで溢れた駅前でクリスがわくわくと零れるような笑みで言う。良いわよ、と紗子は受けて、二人で並んで歩きだした。
ぶらぶらと混みあう竹下通りを歩く。途中途中でショップを冷やかしながら歩いていると、ふとクリスがある店で足を止めた。
竹下通りにしては色合いがシックでモノクロの品ぞろえの店。店先から奥を覗き込んでいるので、入るかと問うと、良いんですか? と気を遣われた。
「良いわよ。今日はクリスに付き合うって決めてるから」
「ありがとうございます」
二人で店内に入ると、成程、メンズの、それもロックテイストの洋服だ。クリスがTシャツを吟味している間に、紗子はレジ付近のガラスケースにディスプレイしてあるアクセサリーを見ていた。
おそらくシルバーのものだろう。ごつくて手の大きなクリスに似合いそうだ。
そんな風に品物を見ていたら、店の奥からクリスが二枚のTシャツを持って紗子に近づいてきた。
「紗子さん、紗子さん。これ、どっちがいいと思いますか?」
そう言って、クリスは商品を交互に身体に当てて見せた。身長の高いクリスならどっちも着こなせると思うが、クリスははっきりモチーフが分かる商品よりみんなが着こなせなさそうな謎モチーフも着こなせそうだったので、クリスが左手に持っていたTシャツを示して見せた。
「こっちですね! じゃあ、俺、これを買います」
「ふふ。私が良いって言ってもお友達が似合うって言うかどうかは分からないわよ?」
クリスの年だったらもっと攻めたデザインの物の方が良いかもしれないのに。
「良いんです。紗子さんに選んでもらったってことが重要なんです」
それに、このデザインも俺、好きです。
そう言ってクリスはそのTシャツを買うことに決めたようだった。
既に人ごみで溢れた駅前でクリスがわくわくと零れるような笑みで言う。良いわよ、と紗子は受けて、二人で並んで歩きだした。
ぶらぶらと混みあう竹下通りを歩く。途中途中でショップを冷やかしながら歩いていると、ふとクリスがある店で足を止めた。
竹下通りにしては色合いがシックでモノクロの品ぞろえの店。店先から奥を覗き込んでいるので、入るかと問うと、良いんですか? と気を遣われた。
「良いわよ。今日はクリスに付き合うって決めてるから」
「ありがとうございます」
二人で店内に入ると、成程、メンズの、それもロックテイストの洋服だ。クリスがTシャツを吟味している間に、紗子はレジ付近のガラスケースにディスプレイしてあるアクセサリーを見ていた。
おそらくシルバーのものだろう。ごつくて手の大きなクリスに似合いそうだ。
そんな風に品物を見ていたら、店の奥からクリスが二枚のTシャツを持って紗子に近づいてきた。
「紗子さん、紗子さん。これ、どっちがいいと思いますか?」
そう言って、クリスは商品を交互に身体に当てて見せた。身長の高いクリスならどっちも着こなせると思うが、クリスははっきりモチーフが分かる商品よりみんなが着こなせなさそうな謎モチーフも着こなせそうだったので、クリスが左手に持っていたTシャツを示して見せた。
「こっちですね! じゃあ、俺、これを買います」
「ふふ。私が良いって言ってもお友達が似合うって言うかどうかは分からないわよ?」
クリスの年だったらもっと攻めたデザインの物の方が良いかもしれないのに。
「良いんです。紗子さんに選んでもらったってことが重要なんです」
それに、このデザインも俺、好きです。
そう言ってクリスはそのTシャツを買うことに決めたようだった。