プラチナー2nd-
「そうだ。浜嶋主任のことは松下の中で片付いてる。今は俺の恋人だ」
「それ、どうやって証明されるんですか? 僕は紗子さんに無理強いしたわけじゃありません。それなのにデートに応じてくださいましたし、一緒にいる間、紗子さんは和久田さんのことをひと言も口に出しませんでした。和久田さんの勘違いってこと、ないですか?」
「勘違いってなんだよ」
事実を述べるクリスと苛立っている和久田。語尾が低くなって、喧嘩になりそうだった。急いで二人の間に割って入る。
「ちょ……、二人ともこんなところで何やってるの。クリス、お店混んできてるわよ。和久田くんも、年下に向かって何してるの」
仲裁に入った紗子を、しかし二人とも受け付けなかった。
「大事な話してるんだよ」
「僕も、紗子さんが嫌だと言うまで譲れません」
睨みあう二人の間でおろおろしていた紗子の手を、和久田がぐっと握る。はっと気付いた紗子は、握られた手と、クリスを見比べた。クリスが手を握られたままの紗子に視線を移して、ふ、と弱く微笑む。
「……そうやって紗子さんに触れていいのは、今は和久田さんなんですね。でも、僕、諦めませんから。何時かきっと和久田さんよりいい男になって、紗子さんに選んでもらいます」
そう言って頭を下げると、クリスは一瞬紗子に近づいて耳元で何か英語を囁くと、何事もなかったように裏口から店に戻って行った。二人は残された路地でお互いを見る。全く年下相手に何をムキになっているんだか。
「それ、どうやって証明されるんですか? 僕は紗子さんに無理強いしたわけじゃありません。それなのにデートに応じてくださいましたし、一緒にいる間、紗子さんは和久田さんのことをひと言も口に出しませんでした。和久田さんの勘違いってこと、ないですか?」
「勘違いってなんだよ」
事実を述べるクリスと苛立っている和久田。語尾が低くなって、喧嘩になりそうだった。急いで二人の間に割って入る。
「ちょ……、二人ともこんなところで何やってるの。クリス、お店混んできてるわよ。和久田くんも、年下に向かって何してるの」
仲裁に入った紗子を、しかし二人とも受け付けなかった。
「大事な話してるんだよ」
「僕も、紗子さんが嫌だと言うまで譲れません」
睨みあう二人の間でおろおろしていた紗子の手を、和久田がぐっと握る。はっと気付いた紗子は、握られた手と、クリスを見比べた。クリスが手を握られたままの紗子に視線を移して、ふ、と弱く微笑む。
「……そうやって紗子さんに触れていいのは、今は和久田さんなんですね。でも、僕、諦めませんから。何時かきっと和久田さんよりいい男になって、紗子さんに選んでもらいます」
そう言って頭を下げると、クリスは一瞬紗子に近づいて耳元で何か英語を囁くと、何事もなかったように裏口から店に戻って行った。二人は残された路地でお互いを見る。全く年下相手に何をムキになっているんだか。