プラチナー2nd-

きらきらきらきら。CGのようなその効果は、紗子にしか見えないってちゃんと分かっている。

和久田のことが眩くて目を細めるのと同時に、やっぱり心臓が走り出した。どきんどきん。……なんて言うんだろう。和久田が其処に居てくれるだけで嬉しい。クリスと会ってるときの安心感と言うのとはまた違う、包み込まれるような感じ……。もしかしたら、和久田は紗子が懇願したら、何でも許してさえくれそうな、そんな雰囲気を醸し出している。

すうっと、心の奥が満たされた気がする。ぽっかり空いていた穴に、和久田がすとんと収まった感じ。欠けていたパーツが埋まって、紗子はじんわりと幸福感に包まれていた。

「そんでさ。俺、デザインとかよく分からなかったから、適当に買ったんだけど」

何故か話が突然変わる。和久田がそう言ってポケットから取り出したのは、黒いベルベット素材の巾着だった。テーブルの上に置かれたそれを見つめる。
< 30 / 32 >

この作品をシェア

pagetop