プラチナー2nd-
「? なに?」
「開けてみたら?」
開けろと言われたので巾着の口を解いて中身を掌に受け止める。そこにはきらきらと銀に光るネックレスがあった。
「……えっ? ……ええっ?」
そんなものが零れ落ちてくるとは思わなかった。でも、紗子の手に滑り出たネックレスを、和久田が嬉しそうに見ている。
「指輪はまだ早い気がしたし、そもそもサイズが分からなかったし。……でも、俺のもんになってくれた松下に、なにかしるしをあげたかったんだ」
手のひらの上のネックレスをまじまじと見る。トップはかわいいハート形で、小さな石が付いている。きっと長さは鎖骨に届くくらい。着けてみないと分からないけれど。
じっと手のひらを見つめていると、着けてみたら? と勧められたから着けてみる。……うん、やっぱり鎖骨の下にトップが収まる。デコルテがきれいに見えるラインだ。
「……あ、……りがと、う……」
突然のことに脳の処理が追いつかなくて呆けてしまう。恋が成就するって、驚きが次から次へと現れていちいち紗子をどきどきさせる。
「……あの……」
「ん?」
向かいの和久田に視線を合わせると、そりゃあもう蕩けそうな顔でこっちを見てくるから、紗子の方が恥ずかしくなってしまって、顔が熱い。
「わ、わたしも……、わたしも和久田くんに、なにかしるしをあげたい」
紗子の言葉に和久田が破願した。