優しい『君』とおちていく
『君』の学校
〈side 唯愛〉
私がご飯を作り終わって食べているころ。
「七瀬の学校ってどこ?」
「海新高校だよ。」
海新高校―――
ここら辺のところで一番頭がいい男子校。
「唯愛は?」
「……西高校。」
七瀬が言った後に言いたくなかった。
西高校は一番頭が悪い。
しかも学校行ってないし。
「ってか七瀬、学校行かなくていいの?9時だけど。」
「唯愛って学校行かないでしょ?だから行かない。」
「どうして?」
「唯愛1人だと寂しいから。」
はい?
「別にいなくても寂しくないよ?」
「俺がダメなの。」
は、はぁ……
七瀬ってよく分からないな。
「でも七瀬の学校、行ってみたい。」
「じゃあ放課後、行く?―――」