優しい『君』とおちていく
次の日、私は頑張って学校に行った。
「ねぇ、あの子って不登校の子じゃない?」
「確か柊 唯愛だった気がする。」
「見たことない顔~。」
とみんなからコソコソされるから嫌。
話しかけたいなら話しかけてくればいいのに…
「久しぶりだね、唯愛ちゃん。」
と聞きなれた声が聞こえた。
「竹くん……、久しぶり。」
彼は竹田 碧くん。
だから竹くんって呼んでいるんだ。
ちなみに同じ1年生。
誰も話しかけてこない中、話しかけてくれた彼が天使のように思えた。
「学校、来たんだね。」
「うん。何か久しぶりに行きたくなったから。」
「そうだったんだ。親の方は大丈夫?」
「大丈夫じゃないけど大丈夫かな。私、海新高校の人と2人暮らし始めたんだ。優しい人だよ。」
「海新高校か。何年生?」
「2年生だよ?」
どうしてそれを?、と思った。
竹くんが知らなくてもいい情報だと思ったから。
「僕じゃ敵わないな……」
とか独り言喋ってるし。
竹くんもよく分からない不思議な子。
「まあいっか。明日も来る?学校。」
「来れたら行こっかなと思ってる。」
「は~い。」
と竹くんが離れていった。