優しい『君』とおちていく
「っ―――ダメだよっ!」
私は七瀬がいないと生きていけないのにっ。
七瀬は死んだ方がいいとか言ってっ。
また失っちゃうじゃんかっ。
「うっ……」
「あっ、ごめん。泣くかと思わんくて。」
「ううっ……そりゃ泣くよ……」
どれだけ七瀬が好きだと思ってんの。
―――え?
え、ちょっと待って。
私って今、七瀬を好きって言った?
いやいや、恋愛じゃないって。
本が好き的なやつだよね、うん。
「どうしたの?百面相して。」
「あっ、え~っと……」
「まあいいや。両親殺したの竹田 碧の父親なんだよね。だから前、不機嫌だったんだと思う。」
「……そうなんだ。」
「ごめんね。こんな話聞いてもつまんないよね……」
「ううんっ。そんなことないよ。七瀬の過去、知れてよかったもん。」
いつもよりも七瀬の気持ちが不安定で誰かが支えていないと立てない。
だから私は七瀬の支えになるよ。
「そう……」
「うん!これからも教えてほしいな~って……」
七瀬はふっ、って笑って
「ありがと。」
と言った。
「俺1ヶ月は入院しないといけないと思う。」