優しい『君』とおちていく
お風呂から上がり、服を着ようとして気づいた。
私が優くんのサイズの服を着れないことに。
シャツは着れるとして、ズボンが穿けないのでシャツだけにした。
「上がったよ~。」
「さっき公園で話してたこと詳しく教えて?」
「うん……」
と私は優くんに不登校になった経緯と離婚の危機が迫っていることを話した。
「じゃあ今日家に帰ったらまた聞かされるってことか。」
「たぶんそうだと思う。」
「それじゃあここに泊まる?俺、1人暮らしだし。」
「でっでも……」
何も持ってないのに、と言おうとしてやめた。
優くんは絶対自分の意見を通す人だから言っても無理だと思う。
この短時間で優くんの性格を読めた私はすごい。
「泊まるね。」
「了解。俺の話になるけど俺さ、両親亡くしてるんだよね。だから唯愛とは逆で学校にしか居場所がなかった。だけどさ学校で最近浮いてて。だから俺も唯愛と同じ。」
「そうだったんだ。」
私と同じだったことに親近感を抱く。
「それじゃあ寝る?」
「そうしよう。」
と私たちは寝た。