優しい『君』とおちていく
『君』、両親
とある日。
って言っても、学校が休みの日。
いつも通り、七瀬の家にいた。
ピンポーン、と音がして七瀬は見に行った。
「っえ、……」
と声がして何だろうと思い、七瀬の方に行ったら七瀬の両親らしき人がいた。
「優の母親です。いつもお世話になってます。」
「ゆ、優くんと、仲良くさせてもらってます……」
「な、んで……、お母さん。」
七瀬はテンパっているのか、ずっとこんな状態。
と、そのとき。
私のスマホがプルプル、と鳴った。
……お母さんからだ。
「……もしもし。」
『柊 唯愛さんですか?』
スマホから聞こえたのはお母さんの声じゃなく知らない人の声。
「えっ、と、そうですけど……」
『貴方のお母さんと、お父さん、事故にあったみたいで意識戻ってなくて。』
「え、っ待って!それって大丈夫なんですか!?」
七瀬の両親がいることも忘れて大声を出した。
『そこがごめんなんだけど……、―――』
……そんな。
「そんなぁぁぁ~!」
私が家にいたら。
私が2人と一緒にいたら。
2人の命を落とさずに済んだかもしれない。
私のせいで……!
「……唯愛?どうし―――」
「嫌だぁぁぁ!お母さんとお父さん、死んじゃったぁぁぁ、私のせいで……!」
七瀬の声も気づかず、ずっと泣いていた。