優しい『君』とおちていく

「破壊力、えぐすぎ……」


急に黙ったかと思えば意味の分からない言葉、言ってくるし。

日本人ですか?って疑っちゃう。


「どうしたの?」


「……ううん、何でもない。」


「そっか。それなら良かった。」


自分で言いながら何が良かったのか分からないけど。


「これから名字で呼んで?七瀬(ななせ)って。」


「え~、どうして?」


「どうしてでも!」


「じゃあ分かったよ、七瀬。」


どうして名字で呼ばなきゃいけないのか、七瀬って名字だったことを思いながら言った。


「ん……、それならいい。」


何がそもそもダメなのか分からぬが、七瀬が喜んでくれるならそれで。


「じゃあまたね。」


と七瀬が言った言葉で気づいた。

家にもう着いていることに。


「どう解決したのか送るね。じゃあ、また。」


と言って家の中に入った。
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