料理男子、恋をする

「織畑さん」

「杉山くん、当たりとは災難だったわね」

くすくす笑いながら織畑がフォンダンショコラを持って薫子の隣の席に座った。

「大瀧さん、楽しめてるかな」

「賑やかでいいですね。うちの会社のクリスマス会はプレゼント交換とチーム対抗のジェスチャーゲームですよ」

「そう言うゲームも主流よね。うちは外部の人もOKにしてるから、チーム対抗みたいなことは出来ないんだけど」

「でも、おかげでまたはるかさんにお会い出来ました。以前はありがとうございました」

多分、紅葉狩りの時のことを言っている。織畑はいいのよ、そんなこと、と微笑った。

「また何かあったら連絡して。杉山くん情報だったら、何時でも流すわ」

「そうですね、何かの時には」

勝手にやり取りされる自分の情報と言うのは気になるが、織畑ならそんなに悪いことは言わないのではないかと信用している。
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