春子先輩と僕。

そこまで話すと、春子先輩は恥ずかしかったのか僕の胸に顔をうずめてきて、その姿が堪らなく可愛くて、場面に似合わず押し倒したくなったけど、さすがに我慢した。


「春子先輩、話してくれてありがとう。僕も思ってたこと話していい?聞いてくれる?」


そういうと返事はなく、代わりに僕に抱きつく力が強くなったので僕ももっと強く春子先輩を抱きしめた。


「春子先輩がそんな風に思ってたなんて全然知らなかった。だから春子先輩は僕とするのが嫌なんだって思ったし、僕のことなんてもう好きじゃなくなっちゃったのかもしれないって思ってた」


「でも違ったんだね。…確かに僕はずっと、大人ぶってたのかもしれない。僕は春子先輩より2つも年下だから、どうしても春子先輩の周りの男よりも頭2つ分位は下だって思ってた。うかうかしてたら他の男に春子先輩持ってかれちゃうって考えたら居てもたってもいられなくて。」


「ずっと、春子先輩にとって頼れる彼氏になりたくて、必死だった。春子先輩の気持ち、ちゃんと考えられてなかった。ごめん」


「僕は、春子先輩のことが本当に、本当に大好きなんだよね。もう、すっごい好きで、可愛くて、僕だけのものにしたくて。だからあんまり周りが見えてなかったのかもしれない。不安にさせてごめん。」



「でも本当に、僕は春子先輩のことめっちゃ好きだから。その点は心配しなくていいよ。」



「…あとひとつ。僕と会ってない2週間ずっと、遼に泣きながら電話してたっていうの、普通に妬ける。」


僕が全部、小さな嫉妬まで全部話し終えると、春子先輩は僕から少し離れて、僕に向かって微笑んだ。

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