春子先輩と僕。
「そっか。ふふっ、そうやって何でも言って欲しいな。良かった、私のことまだ好きでいてくれて。私も大好きだよ、真緒くん…んっ!」
そうやってはにかむ春子先輩が、
久しぶりに大好きだと言ってくれた春子先輩が、
愛おしくて、我慢できなくて。
「んっ…んん…っはぁ」
深いキスを繰り返す。だんだんお互い息が上がってきて、春子先輩の顔が赤くなってきて。
どんどん歯止めが効かなくなっていく。
「んっはぁっ…んんっ、はっ」
舌を絡ませて、お互いを感じて、求め合って。
…でも途中で止められる。
「…んっ…っ真緒くん…、ちょっと待って、」
「ひとつだけ、どうしても聞きたいことがあるんだけどいい?」
「っ、いい、ですよ」
「…そういうの。急に、敬語になったりとか、私の前だけで自分のこと僕って呼んだりするのって、何で?」
っ!!…気付いてたんだ。
あんまり…話したくないけど。僕の内側を全部見られちゃうような気がするから。
でもきっと、こうやって隠してたから今回みたいなことになったんだよね。
だから全部、知られちゃってもいいや。
「…自分の抑制、かな。」
「抑制?」
「…うん。春子先輩といると、我慢できなくなっちゃうから。常に。見てるだけで可愛すぎて押し倒したくなるから、ちょっとなんか、敬語にしたり僕って呼んだりしてると理性抑えられるんだよね。」
そこまで言うと、春子先輩の顔が真っ赤になる。
「そう、なんだ…。じゃあ私のためってことか。…嫉妬してたのがばかみたい。」
え、嫉妬!?春子先輩が、僕に?
「…前にね、真緒くんが女の子と話してるの見たの。高校の子かな?多分。その時にね、自分のこと俺って言ってるの聞いちゃった。」
「そういえば、付き合う前は俺って呼んでたのに最近はずっと僕だなーって。私といる時やっぱ、気を遣わせちゃったりしてるのかなぁって思ったりしちゃって。」
…まじか。春子先輩が僕に嫉妬とか可愛すぎるんだけど。死にそう。
「可愛すぎ。なんか最近僕って呼ぶのが癖になってきちゃって、春子先輩の前でだけ出るとか特別感あっていいな、とか結構思ったりしてた。でも春子先輩が僕呼び嫌だったらやめる。」
「そんなこと言われたら特別感出して欲しいって思っちゃうじゃん!…でもたまに俺って呼んで欲しい。かっこいいもん。あと、いつか、呼び捨てで呼ばれたい。」
不意打ちでかっこいいとか心臓に悪い…。
呼び捨てとか呼んで良ければいつでも呼ぶのに。超可愛い。
やばいな、止まらなそう。