春子先輩と僕。
グイッ
突如伸びてきた手が、僕と春子先輩を引き離す。
「学校遅刻するからもう起きよ、」
…自分から、キスしてきたくせに。
本当、都合いいよね春子先輩って。
ま、嫌いになれないんだけど。
「分かりましたよ、僕ご飯作ってくるんで、春子先輩着替えててください」
結局僕は春子先輩に逆らえない。
部屋を出ていこうとした時。
「まって、真緒くん」
名前呼び、ずる過ぎ。
背中に感じる温もり。
やんわりと腰に回された手を解いて、振り向いて目を合わせると、
「もう1回しよ、」
…っ。まじかよ。可愛すぎる。
でも、僕は傷付いたから。ちょっと意地悪するよ、。
「春子先輩、何を?」
言って欲しい。キスしてって、おねだりして欲しい。
そしたら死ぬほど、キスしまくって甘やかせるのに。