春子先輩と僕。


「っ、あの!ちょっと、話したいことがあるんですけど、いいですか?」



顔を赤らめて計算とも見える上目遣いで。



他の男なら落ちそうだけど、僕は落ちないよ、ごめんね。




「何?」



リボンの色から、年下だということを察し、適当に返事をする。



何?とか聞いたけどどうせ…



「凪沢先輩のこと、好きです。」



やっぱりね。最近多いんだよなぁ。でも返事は決まってる。



「ごめん俺、彼女いるから。」


「…知ってます。でも諦められなくて、だから、っその、お友達から、始めませんか?」



何言ってんのコイツ。



「無理。友達から始めるって何、そのまま恋人にでもなるつもり?彼女いるって言ってんじゃん。俺友達とか要らないから。」



ちょっと言い過ぎたかな、とか思ったけど、僕には春子先輩だけだから。ずっと。




「っでも、諦めません、私。」



しつこいな。



「私、1年1組の笹本ゆのと言います。覚えといてください!!!」



…笹本?てことは、まさか。
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