春子先輩と僕。
*
家に着くと、春子先輩の靴がある。
…来てたんだ。やばい、にやける。
「春子先輩、ただいま。」
そう声をかけても反応はなくて、急に心配になってくる。
「春子先輩、?」
あ、いた。僕のベッドの中。布団が盛り上がってる。
「何してんの、春子先輩」
布団をめくると、春子先輩と目が合う。
「起きてるじゃないですか、心配したのに。」
「ごめん、どんな反応するかなって」
そう言ってはにかむ春子先輩に、目眩のようなものを覚える。
可愛すぎて。…やばい、理性保てない。この状態で何か言われたら僕、
間違いなく春子先輩を襲う。
「ふふっ、真緒くんおかえり。ごめん意地悪して。」
っやばい。
だめなのに、クラクラする。クラクラして、何がだめなのか分からなくなる。
キスしたい、抱きたい。
春子先輩がほしい。
「真緒くん…?っ!んんっ」
ごめん、止まんない。
「ん、はるこ、せんぱいっ、したい」
目を見て、求める。…でも。
「真緒くん、ごめん。今日はだめ。」
"今日は"、何回聞いたかな。
言い訳、もっとちゃんと考えてよ。
それか嫌なら嫌と、はっきり言ってくれればいいのに。
まぁそんなこと言われた日には落ち込むどころじゃないんだけど。
「…僕とするの、春子先輩は嫌?」
「嫌じゃないよ。でも、今日はだめ。」
「いつもだめじゃん。なんでだめなのか僕は知りたい。」
勇気を出して言ってみても、訪れるのは沈黙。