最後の悪夢
お祭りのような明るい空気に、自然に笑みが溢れて溶けていく。
どこからか太鼓の音がする。笛の音がする。春のような陽気。
昨日の夜は寒かった。今では太陽が私達を照らして、眩しさに目を細めるんだ。澄んだ空の青の香りもする。
疲れが、一瞬で吹っ飛んだみたい。
体が軽い。
淡い白のフィルターがかかったような視界。色とりどりで鮮やかな景色。
今はこんなにも世界が明るい。
私はお返しに小さく手を振って、駆け足でその場を離れた。
どうしてか、顔が火照って胸が熱かった。