最後の悪夢

それから一体どれくらい走ったか。

元いた場所であるクラスの教室のある三階建ての一棟と。

理科室や図書室など、特別教室のある同じく三階建ての二棟の二つ分かれるこの学校。


エレベーターは故障し階段は塞がれ、一階には下がれなかった。



鬼が来ていないと分かって安心したら、そこは二棟の最上階。非常階段はあったけど、おそらく二階には降りられるが一階まではいけない。

荒い息をして咳き込む。血が沸騰しているみたいな勢いで身体中を駆け巡っていた。

落ち着け! 落ち着け。


思っていた以上に……いや、こんなこと、想像もしていなかった。殺しに来ている。私たちを、殺し……。
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