最後の悪夢
「はあ……はあ、はあ……ゲホッ」
咳をしたら気づかれるんじゃないか。居場所がばれるんじゃないか。
よく分からない不安ばかり沸いてきた。こっそり腕時計を持ってきていたから、腕につけた。周りを警戒しながら、慎重に。
どこからか悲鳴が聞こえてくる。
体の感覚がおかしい。
熱い。ぐらぐらと視界が揺れて、立っていられなくて再び、その場に腰を落とした。
いきなり走るからだ。
こんなの、体育の苦手な私からしたら圧倒的に不利だ……。
やっと息も落ち着いてきた。
時刻はまだ五分も経っていない。
こんなのが、朝の七時まで続くなんて……!!