最後の悪夢
小さな窓から明るい光が漏れて、埃っぽい準備室のなかを照らした。
肖像画の模写、プラスチックでできた石膏像のようなもの。
大きな机の上に散らばった紙、木屑。削りかけの木。
木のような、ボンドのようなペンキのような。とりあえず色々なものの混じったような独特な臭いがした。
並べられた彫刻刀。そのなかで私は一つ、カッターナイフのようなものを盗んだ。護身用だ。
とりあえず準備室が、思っていたより広いから、この机の下に隠れよう。
ドクドクドクドクと心臓の鼓動が鳴りやまない。