【番】小動物な後輩君の愛が深すぎる
──4年前の7月。



『っ、うっ……』



教室の冷房と外との寒暖差でお腹を壊してしまい、壁に手をつきながら保健室に向かう。

もう暑いのか寒いのかわかんねぇ。



階段を一段一段慎重に下りる。


あと少し……あと少しだ……。頑張れ俺……。


階段の踊り場に下りると、急に視界がぐらついた。

ヤバい……手、離したら倒れそう。




『……透瑠くん⁉』



壁に手をついて俯いていると、聞き覚えのある声が聞こえた。



『……清花さん?』

『大丈夫⁉ どっか具合悪い⁉』

『お腹が痛くて……』



清花さんに支えてもらいながら答えるも、声を出すのが精一杯で、もう立つのも限界がきていた。



『誰かいないかな……』



助けを求めようと、周りを見渡す清花さん。

しかし、誰もおらず、人が来る気配もない。


あ、あれ……?
なんか、視界がボヤけて……。





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