【番】小動物な後輩君の愛が深すぎる
──なんだろう。
夏なのにすごく温かい……。


そして心地良い……。





『…………ん?』



目を覚ますと、見慣れない天井が視界に入った。


背中にはフカフカした感触。

ベッド……? ってことは、ここは保健室?



──キーンコーンカーンコーン……。



チャイム鳴ったけど……今何時だ?



『うっ……』



バッと起き上がると、頭に痛みが走った。



『水沢くん……! 大丈夫?』

『あ……はい』



俺の声が聞こえたのか、保健室の先生が慌てて駆けつけてきた。

時間を確認したら、既に掃除時間が終わってホームルームの時間になっていた。


昼休みにここに来ようとしてたから……丸々2時間寝てた⁉



『最悪……』



再びベッドに寝転がり、目を瞑る。


授業サボっちゃった……。

クラスメイトに、「ノート見せて」なんて言い出せないし……。


クラス違うけど、後で樹に見せてもらうか……。


先生の話によると、俺は脱水症状を起こして倒れ、清花さんがおんぶしてここまで運んできたらしい。

じゃあさっき、夏なのに温かいと感じたのは、おんぶしてくれた清花さんの体温……?
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