【番】小動物な後輩君の愛が深すぎる
バレちゃった

透瑠side

3月14日。

清花さんと付き合い始めて丸1年が経った。

彼女は既に高校を卒業し、進学のために引っ越す準備をしている。


ちなみに1年記念日は、2人でケーキを作って食べた。

今年のホワイトデーも一緒に過ごす予定だったけど……。



「やっぱ難しいか……」



机に突っ伏して、今朝彼女から来たメッセージを読む。



【ごめん。今日は会えないかも】



「顔だけでも見たかったな……」



引っ越したら会いづらくなるから、なるべく2人で過ごしたいけど……わがままは言えないよな。







「今日は先輩と会うの?」

「いや。今日は会えないかもって言われたから」

「そっか……」



樹と帰りながらホワイトデーの話をする。

樹は休日に彼女と映画に行き、今日はこの後放課後デートするらしい。



「仕方ないよ。わがまま言って迷惑かけるわけにはいかないし」

「電話はしてるの?」

「うん。だからそんなに寂しくはない」



と言ったものの……本音を言うと、やっぱりちょっと寂しい。

卒業するまでは毎日のように会ってたんだ。
急に会えなくなって、寂しくならないわけがない。
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