【番】小動物な後輩君の愛が深すぎる
私の反応を楽しんでいるのか、透瑠くんはゆっくりとリボンをほどいている。

また脇腹をくすぐられないよう、今、彼の左手を両手で押さえつけている状態。


なんでそんなに焦らすの。
甘えん坊ですぐ顔真っ赤にしてデレデレするくせに。


リボンがほどかれ、ギュッと目を瞑った。


あれ……?
予想とは違う違和感に恐る恐る目を開ける。

ただ、ほどいただけ……?


呆然としていると、透瑠くんがクスクス笑い出した。



「もしかして、ボタン外されるかと思った?」



プルプル肩を震わせる姿に腹が立ったので、仕返しにデコピンを一発お見舞いした。

私だけドキドキして恥ずかしい……!
変に期待させないでよ……!



「いったぁ……もう、手加減してよ」

「変に期待させた罰だよ」

「へぇ~何期待してたの?」

「…………」



今日は調子悪いな。
さっきから透瑠くんのペースに呑まれてばっかりだ。



「……このマセガキ」

「あー! 言ったなー!」



肩を押されてちょっとよろめく。

去年は自分から言い出したくせに。なにいまさらプンプン怒ってんの。

って言いたいけど、またくすぐられそうだから我慢。
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