【番】小動物な後輩君の愛が深すぎる
言い返したい気持ちをグッと抑え、ほどけたリボンを結び直す。

しかし……突然伸びてきた手によって阻止された。



「なっ……何?」

「…………もうガキじゃないんだけど」



ボソッと呟く声が聞こえた時には、背中にはふかふかの感触が。

目の前には透瑠くんの顔があって、背景には白い天井が広がっていた。



「俺もう17だよ? いつまでも可愛い透瑠くんじゃないんだから」



リボンを持つ手を片手で押さえる透瑠くん。

その手にはさっきより力が入っていて、全く歯が立たず、振りほどくことができなかった。



「……ごめん!」



我に返った彼は急いで私から離れると、ベッドの端に背中を向けて座った。

腕をギュッと掴んでいる手が震えている。



「ごめん……子ども扱いしないでって言いたかっただけで、怖がらせるつもりは……」



丸まって小さく震える彼の背中にそっと抱きついた。


怖かったわけじゃない。

ただ、いつもと違う目つきだったから。
いつもより少し声が低かったからビックリしただけ。

むしろ……ちょっとドキドキした。
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