【番】小動物な後輩君の愛が深すぎる
「大丈夫。ちょっとビックリしただけで怖くなかったから」



震えている彼の手をそっと包み込む。

目のやり場に困ってブレザーを膝にかけてきたり、頬を赤らめた顔でキスをおねだりしてきたり。

お茶目な表情をしたかと思えば、妖しく笑ってリボンを引っ張って、「何期待してたの?」なんて、柄にもないことを言って。


そして……。



「もしかして……ずっと我慢してた?」



恐る恐る尋ねると、ビクッと体が揺れた。


……図星だったか。

覆い被さってきた時の目つきが、いつもの愛らしい感じではなく、今まで見たことがないくらい鋭かった。

ドキドキしたのは、ちょっと大人っぽかったからだと思う。



「付き合ってもう1年経ってるし……好きにしていいよ」


「…………それ、本気で言ってる?」



ボソッと呟いた声が聞こえ、今度は自分の体がビクッと揺れた。

振り向いた彼と視線を合わせる。



「好きにしていいのなら、今ここで清花さんの体に噛みついてキスマークつけますけどいいんですか?」

「そ、それは……」
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