【番】小動物な後輩君の愛が深すぎる
早口で捲し立てるように言葉を吐いた彼に気圧され、言葉が詰まる。


噛みつくって……そんな野蛮なこと考えてたの?

冗談だと思いたいけど、今の透瑠くんならやりかねない。


ドキッと心臓が鳴り、俯いて黙り込むと、長い溜め息が聞こえた。



「……答えられないんなら、軽々しく言わないで。言葉にもう少し気をつけてください」

「……はい」



小さく返事をすると、再び溜め息をついて口を尖らせた。

呆れられちゃったけど、いつもの優しい顔に戻ってホッとした。



「ごめんね。もしかして本当につけるつもりだった?」

「なわけないでしょ、冗談だよ。体傷つけたくないし。まぁ……色んなところにキスしてみたいなとは思うけど」



えっ、それって……顔だけじゃなくて、首とか腕とかにもしてみたいってこと……?



「た、例えばどこ?」

「んー、今リボンが垂れてるところかな」



リ、リボン……?

ニヤリと口角を上げている透瑠くんの視線を辿る。




「……焦りすぎ」

「だっ、だって……」
< 39 / 41 >

この作品をシェア

pagetop