赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


承諾した後、トントン拍子に話が進み、明後日の放課後にカウンセリングを行うことが決まった。


場所は今日と同じ保健室で、時間は放課後。

話の内容にもよるけれど、1時間内には終わるとのこと。


どうしよう、明後日も潤くんと会う予定があるんだよなぁ……。


30分くらいなら待っててもらおうと思ったけど、1時間はちょっと長い。

後で家に行くほうが時間潰させずに済みそうだから、先に帰ってもらおうか……。


潤くんにどう伝えようか考えながら、先輩と一緒に保健室を後にする。



「あの、1つお願いがあるのですが……今日話した内容は、できれば他の人には口外しないでもらえますか?」



隣を歩く沢村先輩がおもむろに口を開いた。



「大変身勝手ですみません。実は、カウンセリングと治療をすることは誰にも伝えていなくて。もし他の人に情報が漏れてしまうと、『自分も相談に……』と言う人が出てきそうなので……」



先輩は申し訳なさそうに眉尻を下げて、人差し指を口元に当てている。
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